スーパーカブで日本一周

  523日間に渡ったスーパーカブ90での日本一周の記録、およびその後日談を語ります。

改めて追求したい、物を持たない生き方

先日、私にしては珍しくテレビを点けたところ、実に興味を惹かれる番組が流れていました。持ち物をぎりぎりまで減らし、がらんとした家の中で生活する人の姿が映し出されていたのです。このような暮らしをする人をミニマリストなどと呼び、最近注目を集めている、というのがその番組の内容でした。何でも安易に横文字で呼称するのは大嫌いなのでこのミニマリストなる言葉は全く好みませんが、ここではその事はとりあえず置きましょう。
てっきり独身で一人暮らしの人物が登場するのかと思っていたのですが、驚くべきことに取り上げられていたのは育ち盛りの子供二人を抱える四人家族でした。それにもかかわらず家の中はまさにがらんどうで、ほぼ全ての床が見えているのです。かといって修行僧のような脱社会的な生活をしているというわけでもなく、たとえば食器や靴やタオルなどといった日用品は一通りの物があります。ただその数がぎりぎりまで絞られているので、全て戸棚などの中に収納されてしまっているのです。日曜日にテレビの取材が入ったのでしょう、ご主人は背中を丸めて床に直接置いたノートパソコンに向かい、子供達は床に寝転んで携帯ゲームに興じていました。部屋にはテレビもテーブルも無いのです。テレビ番組で取り上げるくらいですからこの家族はこういった生活をする人達の中でもかなり極めている方なのでしょうが、しかし何か無理をしたり辛苦を伴ったりしている様子は微塵も感じられず、これだけの物があれば生活するに十分と説得力のあるものでした。

これはなかなかに衝撃的で、そして大いに鼓舞される光景でした。私もこういった志向を持っているからです。
もともとごちゃごちゃと飾り立てたり、物を多く持ったりするのを好まない性分でした。生まれ育ちの気風もあるのでしょうが、特に男が出掛ける時に手ぶらでないのは野暮だと感じるし、アクセサリーなど装飾品を身に着けるなどまったく理解できません。私は腕時計をするのも嫌なくらいで、簡素を通り越して殺風景なくらいが心地好いのです。
そしてこの志向は、先の日本一周の旅を経て一気に強いものになりました。住んでいた部屋を引き払って出発したので、どうしても捨ててはいけない物、旅から戻った時にまた絶対に必要な物だけを実家に預かってもらい、残りはとにかく全て捨てるという作業をしなければなりませんでした。すると次から次へと、際限なく出てきます。六畳一間の一人暮らしの部屋であっても、よくもまあこんなに沢山の物があるものだと自身驚く程でした。そして単に物が多いというだけではありません。そのうちの殆ど全ては、日々生きていく為に「どうしても欠かせない物」ではなかった事に改めて気付かされたのです。とにかく捨てて捨てて捨てまくりました。
そして旅の道中で悟ったのは、原付バイクに積めるだけの持ち物で人間十分に生きていけるという事でした。ただし荷物の容積の大半はテントや寝袋など野営の為の、いわば専門的で特殊な道具でした。公共交通機関で移動して宿に泊まり歩くことを前提にすれば人間はリュックに入るだけの持ち物で、その気になれば一生生きていけるでしょう。服が擦り切れて着られなくなったら捨てて、一枚買い足せばよいのです。

DSC06288.jpg
日本一周の旅に一旦区切りをつけて部屋を借り、その部屋を生活の拠点としてそこから仕事に通うという日々になりましたが、旅に出る以前と違って日々生きていく上にどうしても不可欠な物以外は持ちたくないという思いを強く持つようになりました。
この写真は今現在の私の部屋のロフトの様子ですが、このように今の季節は寝るためだけの空間、夏場は下で寝るので完全に何も無い空間です。つまりロフトを遊ばせてしまっているのです。流石にこれには無駄を感じ、もっと狭くていいから家賃の安い部屋へ引っ越そうとこれまで何度も考えてきました。しかし住環境の良さや引っ越しの時間がとれないこと、周辺の家賃が軒並み上昇傾向にあることなどからついつい引き延ばしてしまい今に至っています(苦笑)

下の部屋の部分も、平均に比べたらかなり物が少なくがらんとしている方でしょう。部屋の端の方で声を出すと天井に反響します。それでもテレビに出ていたあの家族には遠く及びません。趣味の持ち物が意外と多いからです。プロ野球のレプリカユニフォームだったり、あとは何といっても書籍が多いです。居酒屋の本や地図など、特に地図が手元にない生活は耐えられません。これらの物を処分してまで物を持たない暮らしを突き詰めようとまでは思っていません。余計な物は一切持たない、必要最低限の数または量しか持たないといった程度で十分です。この手の志向は度が過ぎると往々にして偏向し、自己目的化され、時に宗教のようになってやがては辛苦を伴い自身を追い込む危険性を孕んでいるからです。
とはいっても、床が全て見える程にがらんとした家で生活する様を見て良いものだと思い、刺激を受けたのも事実です。次の休みには改めて絶対に必要とは限らない物が家の中にないか点検し、該当する物品があれば根こそぎ処分したいと思います。持ち物が少ないということは、それだけすぐに旅に出られるということでもあるからです。それは、日常の生活を快適にすることに意義を見出さないという生き方の問題でもあるのです。





にほんブログ村 旅行ブログ 日本一周へ
にほんブログ村


↑↑↑ 日本ブログ村、FC2ブログの各アクセスランキングに参加中です。ぜひぜひ!クリックして下さい!
    20:55 | Trackback : 0 | Comment : 2 | Top
Comment
2015.11.29 Sun 17:54  |  ビート★ #-
トミーさん>

共感して下さる方がいるのは嬉しいですが、結局のところは少数派の好事家の価値観だという自覚も持っています。何故なら、農耕、定住、共同体社会で生きてきた日本人にとってはしっかりと居を構え、そこに不足ない物を揃え、なるべく多くの備蓄をする事こそが生きていくために不可欠な価値観であり当然の行動だからです。借金してでも家や車を持ちたいというのは何もおかしいことではないという事です。ただし自分の興味はそこにはないというだけの話になります。なるべく物を減らして身軽になりたいというのはまさしく正反対の行いであり、物が溢れ便利を極めた現代が生んだ我儘とも言えると思っています。
ただしそのあたりの事を自覚しているつもりですし、自分と正反対の生き方をする人に意見するつもりも全くないし意見されるのも大嫌いです。べつに格好つけた言い方をするつもりはないですが、自分のやりたい生き方を楽しんで追求するだけですね(笑)
Re: タイトルなし  [URL] [Edit]
ビート★さんこんにちは、今回の記事大いに共感する点が非常に多かったです、僕の自宅兼ライハ(現在は無期限休業中ですがw)も一応一戸建てですが間取りは1DKと小さいものですがはっきり言ってダイニング部分だけで十分すぎる位で一部屋は完全に空っぽです、日常ブログのコメントや最近の僕のブログの記事でも書きましたが今の日本人は物質的な豊かさを追求するあまり本当に必要でないものに無駄にお金をかけてそのお金を稼ぐために必要以上にあくせくしすぎている気がします。
それよりは自分が本当に必要なものだけをそろえてその分必要なお金を減らしたほうが自由な時間やゆとりが出来ますしそのほうがいい気がします、物が増えればその分それに縛られてしまう気がしますしましてやローンなんか組んで家や車を買ってしまうともはや奴隷的に働かざるを得なくなってしまってどんどん自由から遠ざかってしまう気がします。

越冬生活に入る前の一年間はがむしゃらに働いて旅の資金を貯めていましたがミニマムな生活環境を構築していたので幸い月々の生活にかかる出費は5万円前後位で済む事が多く結果的に給料の大半を旅の資金の為の貯蓄に回すことが出来ました、と言っても別に自分的には十分すぎる程の生活環境でむしろその間のライダーハウス活動等旅をする前の生活よりも充実したものでありました、必要以上に物を持たずに身軽になったほうがより自由に旅人らしくなれるような気がします、なんか長々とコメントしてしまってすいません(爆)

  [URL] [Edit]







(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
Trackback
http://tetsupipe.blog76.fc2.com/tb.php/3958-ef2a691a
★ ランキング参加中 ★



一日一回、ぜひ両方のバナーをクリックして下さい(^o^)↑
よろしくお願いします!
まとめ読みに便利♪
カテゴリ別、月別アーカイブの記事は古い記事から順に表示しています。
カテゴリ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
月別アーカイブ

全記事表示リンク
最新コメント
続・スーパーカブで日本一周
二度目の日本一周に旅立ちました。
現在はこちらのブログでその様子を更新しています。是非ご覧下さい。
旅人の足跡
旅と居酒屋巡りのページ
無為是人生
日本一周以外の数々の旅の記録と全国居酒屋探訪
最新記事
旅友リンク
検索フォーム
QRコード
QR
RSSリンクの表示
プロフィール

ビート★

Author:ビート★
2009年5月10日、住んでいた部屋を引き払い、250ccのバイクも売り飛ばしてスーパーカブ90で日本一周の旅に出発しました。
道の駅や公園、海辺でテント泊して節約した金を全国の居酒屋巡りと日々のビール代に注ぎ込みつつ、全国を行脚して12月に沖縄に上陸。父親の急病による一時帰郷などを経て、2010年8月3日、念願の日本最西端・与那国島西崎に到達。再び鹿児島からの自走で北上し、2010年10月14日、523日目にして日本一周の旅を完結しました!

-------------

現在、新たな相棒スーパーカブ110を迎え再出発へ向けて準備中です…