スーパーカブで日本一周

  523日間に渡ったスーパーカブ90での日本一周の記録、およびその後日談を語ります。

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あの日、旅空の下で   11.沖縄の洗濯

沖縄にも冬はあるというが、それは嘘だ。
勿論1月や2月には平均気温も20度を割り、バイクで走る時など上着を着なければならない事も多い。しかしひとたび太陽が顔を出せば、やはり島には冬なんてないのだと思わされる。
沖縄の冬は曇天が多く、晴れの日が殆ど無い。晴れたと思ってもすぐに曇ってしまい、はっきりしない空が毎日続く。一番気温の低い時期に一番晴天率が低いものだからより一層寒く感じるのだ。

ところが、たまに気まぐれな陽射しが差してくるとその強さに驚かされる。サンダル履きの足がじりじりと焼かれる感覚が分かる。日向を歩いていればTシャツ一枚にならずにはいられない。
この陽射しの強さこそが沖縄の気候の最大の肝なのだ。
そんな強烈な陽射しの下、沖縄でする洗濯は色々な意味でたいへん面白い。
何が面白いって、洗濯するところまでは洗濯機にぶち込んで回すだけ、どうということはない。面白いのはその先、洗濯物を干すところだ。
沖縄には実に九ヶ月間も滞在したので、それはもう何十回も洗濯をした。その全ては泊まった安宿で行ったものである。石垣島で滞在していたゲストハウスには乾燥機も置いてあったが、そんなものに金を使うわけはないし、私はそもそも乾燥機を使うのが昔から好きではない。やはり自然の陽光と風にさらして干さないと何だか不衛生な感じがするし、何より気分的に気持ちが悪い。様々な土地の空気と風に晒したものを身にまとう、これも旅の醍醐味の一つなのだ。他の多くのゲストハウスではそもそも乾燥機なんてものは置いていなかった。
那覇で長期滞在していたゲストハウス「けらま」では屋上に洗濯物が干せたのが気持ちがよかった。ここの屋上はきれいなウッドデッキになっていて広いし、実に居心地が良く、洗濯物を持って上がってそのまま昼寝をしたり本を読んだりぼーっと空を眺めたりするのが好きだった。
やがて同じように屋上でのんびり過ごすために上ってくる同宿者がいる。そこで屋上でのんびりお喋りするのも最高だった。とあるアメリカ人の旅人は、僕の住んでいる辺りでは洗濯物を屋外に干すのは恥ずかしいのだと言う。聞いたこともない面白い話だった。屋外に洗濯物を干すのは乾燥機が買えない貧乏人の証なので、晴れていても洗濯物は屋内で乾かすのがステイタスなのだ、と。なんともアメリカ流に病的な話だが、そんな考え方は馬鹿げていると私が言うと、彼もその通り、僕も洗濯物は外で干した方が気持ちいいと思う、本当は外で干したいのだけどママが駄目と言うのだ、と笑った。旅ってなんて素敵なんだと改めて思う。

さあそこまではいいのだが、問題は洗濯物を干したまま出掛ける時である。
突如やってくるスコール。沖縄の天気予報ほど無意味なものはない。スコールというやつは殆どの場合、降水確率など一切関係なく、何の予兆も伏線も無く、非情なほどに唐突にやって来る。
そしてひとたび降り出せば悪意を感じるほどのとんでもない勢いで、ズドドドド、ゴアアアォォォ…と水の塊が地面に叩きつけられていく。
しまった!洗濯物を干しっ放しだった!などとここで焦ってはいけない。沖縄の人はスコールが来ても洗濯物のことなど気にもしないのだ。
「帰る頃までには乾くさぁ」
「だからよー」
などという会話をしている間にもスコールは止んでしまう。止んだかと思うと再び強烈な陽射しが顔を出し、数分前の嵐が嘘だったかのように道路のアスファルトもあっという間に乾いてゆく。実際、晴れていて風が少しあれば冬場でもジーンズが一時間くらいで乾いてしまうこともあった。
(※波照間島でスコールを目で見て逃げた話はこちら)
そんないかにも沖縄的なおおらかさを満喫していても、一つだけ気を抜いてはいけない物があった。布団である。
同じ宿に何週間も滞在していると、旅の道中ではなかなか無い「布団を干す」という仕事が発生する。けらまではやはり屋上に布団を持って上がってよく干していた。しかし、この布団だけはスコールにさらすわけには絶対いかない。
けらまは泊港のすぐ近くにあった。「とまりん」の二階に上がるとベランダにベンチが並べられ、離島航路のフェリーが発着するのを眺めながらのんびり過ごすことが出来る。ここは那覇でもお気に入りの場所だった。
その日もとまりんの二階のベンチに腰掛け、けらまに同宿の仲間と何をするともなくお喋りをしていた。ところが、ふと嫌な気配を感じた。唐突にやって来るスコールだが、長い沖縄滞在で段々と勘が働くようになってきた。これはまずい!
とまりんの二階からけらままで、猛ダッシュすれば一分くらいで戻ることが出来た。島ぞうり履きで全力疾走し、狭い階段を屋上へ駆け上がった。すると、他の仲間が今まさに布団を取り込んでくれようとしているところだった。有り難い!
私は下の道路へ降りて、上から投げ落としてもらった布団を受け止めた。間一髪。雨を数滴受けただけで済んだ。
互いに半島人化している同宿の仲間とこんな風に過ごした沖縄での滞在は、旅の真髄が詰まったまさにかけがいのない時間だった。





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    12:57 | Trackback : 1 | Comment : 1 | Top
Comment
2012.11.10 Sat 17:10  |  たかCくん #-
沖縄の1月2月は生暖かい曇天の日ばかりの印象大。


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沖縄にも冬はあるというが、それは嘘だ。勿論1月や2月には平均気温も20度を割り、バイクで走る時など上 2012.11.13 13:32
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Author:ビート★
2009年5月10日、住んでいた部屋を引き払い、250ccのバイクも売り飛ばしてスーパーカブ90で日本一周の旅に出発しました。
道の駅や公園、海辺でテント泊して節約した金を全国の居酒屋巡りと日々のビール代に注ぎ込みつつ、全国を行脚して12月に沖縄に上陸。父親の急病による一時帰郷などを経て、2010年8月3日、念願の日本最西端・与那国島西崎に到達。再び鹿児島からの自走で北上し、2010年10月14日、523日目にして日本一周の旅を完結しました!

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